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2018年度、アカデミー賞作品賞に輝いた『グリーンブック』が観客賞を受賞した第43回トロント国際映画祭。時同じくしてユニークでパワフルな作品が集められ、同映画祭の真夜中に上映される<ミッドナイト・マッドネス部門>にて『燃えよスーリヤ!!』が観客賞を受賞。ブルース・リーやジャッキー・チェン、そしてアメコミへの痛快なオマージュで米辛口映画サイト「ロッテントマト」も驚異の100%の高評価を獲得!!『ロボット』、『バーフバリ』を生み出したインド発、世界がシビれた全く新しい“痛みを感じないスーパーヒーロー”が日本のスクリーンを席巻する!!
スーリヤ(アビマニュ・ダサーニー)は生まれながらにして痛みを感じなかったため、いじめっ子たちの標的にされていた。しかし、幼なじみの女の子スプリ(ラーディカー・マダン)だけは彼を守ってくれていた。そんなスーリヤを見かねて祖父はたくさんのアクション映画のVHSを渡すと、スーリヤはその中で空手マンと呼ばれる片足の男マニ(グルシャン・デーヴァイヤー)が魅せる“百人組手”の映像に衝撃を受ける。スーリヤの夢は決まった。「カンフーマスターに、俺はなる!!」

 成長したスーリヤは、特訓を積んだカンフーと痛み知らずの身体を武器に、街の悪党たちと日々戦っていた。ある日、チンピラたちに誘拐されそうになる女性を助けようとしたところ現れたのは、幼い日に離ればなれになってしまったスプリだった。彼女は空手マンに弟子入りし、道場を経営していた。運命に導かれるように伝説の空手マン・マニに会えたスーリヤ。しかし、彼から双子の弟ジミー(グルシャン・デーヴァイヤー)が街を牛耳る悪党になってしまい、大切な師匠の形見を奪われ、スプリも危険にさらされていると聞く。スーリヤは師匠と仰いできた空手マンの誇りを取り戻すため、そして愛する幼馴染を守るため、悪の組織との戦いに身を投じていくー。
1990年生まれ、インド、ムンバイ出身。母は女優のバーギャシュリー、父は俳優のヒマーラヤ・ダサーニー。母バーギャシュリーは、1989年の映画デビュー作『Maine Pyar Kiya(私は愛を知った)』でサルマーン・カーンと共演、この映画がスーパーヒットしたため、全国民にその名を知られている女優である。結婚後は主にテレビ女優として活躍する母と、テルグ語映画を中心に俳優業をこなす父との間に生まれたアビマニュ・ダサーニーは、俳優業をはじめる前に財政学の学位を取得しており、本作で俳優デビューとなる。本作で、2018年のトロント国際映画祭のミッドナイトマットネス部門観客賞を受賞した後、インド人の俳優として初めてマカオ国際映画祭で最優秀新人男優賞を受賞した。
1995年5月1日生まれ、インド、デリー出身。ダンスのインストラクターとして活動していたが、2014~16年に放映されたテレビドラマ「Meri Aashiqui Tum Se Hi(私の愛はあなただけに)」でヒロインを務め話題となる。2018年、『Pataakha(爆竹)』でスクリーンデビューし、同年の「スター・スクリーン・アワード」で新人女優賞を受賞した。次回出演作『Angrezi Medium(英語ミディアム)』はヒット作『ヒンディー・ミディアム』の続編で、インドのトップスター、イルファーン・カーンやカリーナ・カプールと共演する。
1978年5月28日生まれ、インド、カルナータカ州ベンガルール(バンガロール)出身。デリーの国立ファッション工科大学を卒業し、ファッション業界で働く。その後、バンガロールで俳優活動をスタート。活動の場をムンバイに移し、2010年にカルキ・ケクラン主演『イエローブーツの娘』で初めて長編映画に出演する。2015年『Hunterrr(ハンター)』で初主演を飾る。その他、カンヌ国際映画祭でプレミア上映されたヴァーサン・バーラーの長編初監督作『Peddlers(行商人たち)』(12)や、ランヴィール・シンとディーピカー・パードゥコーン共演の『銃弾の饗宴 ラームとリーラ』(13)に出演している。
1953年5月13日生まれ、インド、ムンバイ出身。監督、俳優、脚本、プロデューサーと幅広く活躍している。84年にマラーティー語の演劇「Afaloon」に出演し俳優業をスタート。その後95年にマラーティー語映画『Aai(母)』で映画監督デビュー。99年のヒンディー語映画監督デビュー作『Vaastav(真実)』が高く評価されてヒット、続く00年の『Astitva(存在)』がインド国内の数々の映画賞で受賞やノミネートされ注目を集める。その他、監督作は30本を超える。また俳優業では、02年にアミタ-ブ・バッチャンやサンジャイ・ダットらと共演したハードボイルド映画で、『レザボア・ドッグス』のリメイク『トゲ』(第16回東京国際映画祭/2003で上映)によりフィルムフェア賞コメディ演技賞にノミネートされる。主な出演作は、『スラムドッグ・ミリオネア』(08)、『ダバング 大胆不敵』(10)など。その他様々なジャンルの映画でインパクトのある役どころを務めている。
インド、ムンバイのマートゥンガー地区生まれ。2007年にタミル語の短編「The Lock(錠前)」の脚本を担当し、その後いくつかの作品に出演しながら脚本家としてキャリアを積む。2012年の長編初監督作『Peddlers(行商人たち)』はカンヌ国際映画祭の第51回批評家週間でプレミア上映され、作品賞、カメラ・ドール(新人監督賞)ともにノミネートされ監督業を華々しくスタート。その後、『めぐり逢わせのお弁当』(13)のヒンディー語版の脚本に携わり、『Bombay Velvet(ボンベイ・ベルベット)』(15)、『ラマン・ラーガヴ2.0~神と悪魔~』(16)では脚本を担当。『燃えよスーリヤ!!』が長編監督2作目となる。本作は2018年のトロント国際映画祭ミッドナイト・マッドネス部門観客賞を受賞、マカオ国際映画祭作品賞にノミネート、翌年のグラスゴー映画祭観客賞にノミネートされる。今後の活躍が期待される監督である。
1962年9月8日生まれ、インド、ムンバイ出身。インドの大手制作会社UTVとのちにディズニー・インディアにおいて、65本以上のインド映画を製作してきた有名プロデューサー。携わった映画作品は、30以上のインド国内の賞を獲得し、米アカデミー賞へのエントリー作品となり、海外40カ国以上で公開されたほか、海外の一流国際映画祭で上映されている。RSVPは、観客を楽しませ、独立した、存在感のある映画を製作することを目的として、最近立ち上げたフィルムスタジオである。主なプロデュース作品は、アーミル・カーン主演作『Rang De Basanti(愛国の色に染めて)』(06)、『バルフィ!人生に唄えば』(12)、『めぐり逢わせのお弁当』『チェンナイ・エクスプレス~愛と勇気のヒーロー参上~』(ともに13)など。
2007年ころからアシスタントカメラマンとして活動をスタート。いくつかの短編やテレビドラマの撮影を担当する。主な作品は『Mukkabaaz(殴り屋)』(17)、『Raazi(承諾)』(18)など。また、人気テレビシリーズ「24」のいくつかのエピソードや『グリーン・ホーネット』(11)の撮影スタッフとしての参加経験も持っている。
2008年の『A Distant Mirage(遠い蜃気楼)』以降、ヴァーサン・バーラー監督『Peddlers(行商人たち)』(12)、インド・フランス合作『汚れたミルク/あるセールスマンの告発』(13)、『Bombay Velvet(ボンベイ・ベルベット)』(15)などの作品で編集を担当している。
★痛みを感じないヒーローという発想はどこからきましたか?
歯科医の友人から、患者の少年が治療をするときに麻酔をしないという話を聞いて、無痛症という病気を初めて知った。それからネットで調べてみたり、ドキュメンタリーを観たりした。BBCのドキュメンタリーで、無痛症の患者の生活を追ったものがあった。その後もずっと自分の中にこのアイデアが残っていた。そのアイデアと、幼少期から好きだったマーシャルアーツの作品を作りたいという思いが重なったんだ。
★主人公スーリヤにアビマニュ・ダサーニーをキャスティングした経緯と決め手を教えてください。
1か月半のワークショップをして決めたよ。アビマニュは、物静かでどこか落ち着いているところに惹かれた。「スーリヤ」というキャラクターは、外側は物静かでシャイに見えるけど、内側には彼が想像した世界が広がっていて、その世界にいるスーリヤは外側からみえるスーリヤとは違う。その両面を、アビマニュだったら演じられると思ったんだ。
身体的にも、MMAのトレーニングの経験もあったようで、もともとフィットな体をしていた。ただ、トレーニングの動きと、カメラを向けてファイトシーンを撮るときの動きは違うので、そういう部分は学んでいかなければならなかった。この作品では、8か月間トレーニングしてもらったよ。
「スーリヤ」というキャラクターの大きなインスピレーションは「ブルース・リー」。彼の好きなところは、身長が決して高いわけではなく、服を着ていれば普通の人に見える。でも脱ぐとすごい!超人的な人だということがわかるよね。アビマニュには、ブルース・リーのような体作りを目指してもらった。つまり、見た目から筋肉モリモリではないが、いつでも戦闘態勢に入れるような体だね。プロテインも飲みながら、あまり体が大きくならないように気を付けてもらったよ。
マーシャルアーツの作品は初めてだったから、水はこれだけしか飲めないとか、塩はこれしか摂れないとか、どれだけ役者に精神的にも身体的にも負荷がかかるのかを初めて知った。それを考えた上でも、アビマニュは上手に実践していたよ。
★それぞれのキャラクターのアクションスタイルについて教えてください。
まず、マニの場合は極真空手からインスピレーションを受けている。残念ながらインドでは学んでいる人は少ない。リサーチしたら、百人組手というものを知って、心が虜になったよ!訓練といっても色々あるけど、これが一番厳しいのではと思った。だから、マニは「極真ウォリアー」というイメージ。組手で相手の胸元にパンチを繰り出す技を多く取り入れた。100%極真にするのは難しいけど、なるべく多くの技を彼のファイトスタイルに取り入れたよ。
スーリヤは、いろんなものがミックスされている。空手やカンフー、そしてブルース・リーやジャッキー・チェンなど、スーリヤが映画の中で見たファイトスタイルを真似してミックスさせているんだ。一つの流派に属して武術しか学んでいないという人ではなく、自分がヒーローだと思う人達のスタイルを取り入れているんだ。だから、いろんなシーンでジャンプしたり、キックも派手だったり、自由な形のファイトスタイルなんだ。
スプリは、実際に思しくない事件が起きる中、インドの女性が持つバッグの中に入ったものが、自分を守る武器になりえるという戦い方を描きたかった。今回参加してくれたLAのファイトコーディネーターのデニス・リュエルさんが、「スカーフ」を提案してくれた。すごくいいアイデアだと思って取り入れたんだ。そして、スプリは身長が高い方ではないので、自分より背の高い人と戦うときに、スカーフがある分、リーチが長くなるというのもいいなと思った。くわえて、背が低いからこそ3人の中で一番知的なファイターでもあるんだ。不必要に相手を煽ったりしないし、相手と距離が近い場合は自分の腕や足で戦うし、距離がある場合はスカーフを使えば叩くことができる。そういう要素が彼女のスタイルだね。
こうして、マニは伝統的なマーシャルアーツ、スーリヤは自由な形、スプリは知的で実用的という、3人とも違うスタイルに落ち着いたんだ。
★キャストたちに教えた“観ておくべき作品”リスト
●ブルース・リー作品

『ドラゴン危機一発』(71)
『ドラゴン怒りの鉄拳』(72)
『ドラゴンへの道』(72)*特にクライマックスはブルース・リーVSチャック・ノリスを意識している
『燃えよドラゴン』(73)

●ジャッキー・チェン作品

『プロジェクトA』(83)
『サンダーアーム/龍兄虎弟』(86)
『プロジェクト・イーグル』(91)

その他、アクションのスキルが高くない作品でも、ハートを感じる作品はたくさんある。まずは、そういう作品を観てもらって、アクションに対する「愛」を持ってもらった。それから、より技術的な高い作品を観てもらった。
★監督自身のヒーローは?
ブルース・リー
アクションの面だけではなく、自分自身をあれだけ信じることができるということが素晴らしい。世界中が「中国人の武闘家がヒーローになるなんて無理だ」と言う時代に、様々な状況を全て乗り越えてしまった。自分の場所を自ら作ることができた。人気があるから彼が好き、という訳じゃなくて、彼の側面―どんなに大変でも挑戦して乗り越えていく―が大好きだし、憧れている。だから僕のヒーローなんだ。